粉体塗装(パウダーコーティング)は、環境規制の強かったヨーロッパでは、古くから採用されている塗装方法で、その塗装品質から、1990年代、粉体塗装の本場ドイツでは、高級外車であるBMWとベンツの粉体塗装ラインが稼動されてきました。
高級外車の美しいボディを表現するために、粉体塗装(パウダーコーティング)はなくてはならない存在なのです。
2003年まで、欧米に比べ、日本の粉体塗装(パウダーコーティング)の普及は遅れをとっていました。というのも、溶剤に関する規制が全くといって良いほどされていなかったためです。
2004年、日本国内でもVOC規制に向けた大気汚染防止法の一部が改正され、より規制が強くなりました。日本塗料工業会では、目標値を、2001年ベースとして2006年までに30%減、2008年までに50%削減として、取組みを開始しました。水性塗料、ハイソリッド塗料とともに粉体塗料を環境配慮型の筆頭としてユーザーへの切り替えを促進していくとのことです。
VOC規制法案とともに、粉体塗料及び粉体塗装の発展に大きく弾みがつくものと考えられます。
現在、粉体塗装設備の色替え対策、粉体塗料の少量多色供給、アルミニウム建材の粉体塗料化、木質、プラスチックなど熱に弱い機材への粉体塗装化など未解決の課題が多いのが現状です。今後、粉体塗装機器メーカーや粉体塗料メーカーの技術進歩により、粉体塗装の課題も改善されると思われます。